塗膜の厚さと研磨量

今回は研磨&塗面調整のお話です。
自動車へ、ガラス系コーティング又はガラス系吹きつけコーティングを施工する前に、塗装の研磨作業を行い日ごろの洗車傷や汚れを落とします。
よく鏡面仕上げと言う言葉を聴きますが、自動車の塗装を鏡面に仕上げるには一体どれぐらい削りこみが必要なのか?又、何回鏡面に塗装表面が耐えられるのか?

車種にもよりますが、自動車の塗装厚みは約100~150μの厚みで、そのうち鉄板から上塗りまでが約60~70μですから、クリアー自体の厚みは30~80μほどと成る訳です。
では、一回のコーティングでどれぐらい削りこむのでしょうか?

車の塗装表面にグルグルと渦を巻いたのを消すとなると、大体5μ前後削ります。

塗装表面の、深いウォータースポットや、ヘアライン、〔傷に対して対角に爪をあて微妙に感触を感じる〕などは、10~15μ削りこむ必要があります。

 

私が、普段乗っているスズキのMRワゴンは90~100μの塗装の厚みです。安全牌でクリアーは20~30μと思っといた方がいいと思います。
となると、深い染みがあった場合2~3回の磨きしか出来ない・・・ 通常の渦巻きを消すコーティングなら5~6回はいける計算と言った所でしょうか?
吹きつけガラス系コーティング施工に入る前には、必ず塗膜状況を記録し数値からみて怪しい(薄い又、極端に暑い、再塗装など)部分をオーナーさんに伝えどのように作業するか決定しポリッシングに入ります。

以前に新車時にアルファーガードを施工したオーナーさんが洗車時にスポンジに小石?がくっついてるの知らずに洗車をし、ボンネットに傷をつけてしまいました。

大きくuの字にヘアラインが入ってるのが分かるでしょうか?

爪にかすかに感じる深さです。
車は、平成24年のベンツです。ボンネットで、傷の周囲の塗装の厚みを測りこの傷が消せるか判断します。
塗膜厚さの計測
傷周り数箇所計測し、液晶画面右下に136μと塗厚平均数値が出ています。

線傷に対して直角に爪を当て、微妙に感触を感じる傷をきれいに消すには、10~15μ削りこむ必要があります。よって、傷消し後は120μほど塗膜を残せる計算成る訳です。

さっそく磨きに入り、傷が消えた所で計測したところ・・・

作業後の塗膜厚さ
平均値126μ残せた訳です。
傷の修正後
綺麗になりましたね。

 

この様に、磨きと言うのは塗装を減らすばかりなので、やみ雲に鏡面鏡面と磨きこむのは良いとは思いません。
洗車傷やヘアラインが無くなり、塗装に景色が移りこむ鏡面仕上げはとても気持ちいい物ですが、ガラス系コーティングが乗る『ほどほど』な研磨が良いのでは無いでしょうか?
car-beauty-shine では、残りの塗装状況を確実に判断し、深い傷は追わずくるくる巻いた洗車傷などを消してしまう程度の研磨をお勧めします。
ちなみに、クリアーが無くなるとどうなるのか?解体車で試してみました。

トランクの下付近と、Cピラー辺りを荒い研磨剤で削った結果・・・・
廃車でテスト
見る角度によって、丸くクリアーがすけました。早速計測します。。
塗膜の厚さ

塗膜の厚さ
やはり60μ前後のようです。
鉄板~上塗りまでの厚みと言うのはメーカーや車種で様々で、あくまで目安です。

日々、研磨量を決める手順はこんな感じです・・・

  1. まず研磨作業に入る前に数値で塗膜の厚さを確認します。
  2. 目視や触感により塗面状況を観察し、おおよその必要研磨量を判断します。
  3. 塗装研磨作業中は、機械から伝わる感触や研磨スピード(塗装が劣化していると早い)で必要最小限の研磨量を判断していきます。これらの判断は長年の経験によるのですが、トータルでの塗装研磨量決定は、ガラスコーティング完了後のくるまの為にもとても大切だと思っています。

近年、車の寿命が延びて10年~20年となってるのですから、『無駄の無い下地調整』と『長持なガラス系コーティング』または『柔軟なコーティング剤が強靭なしなりを見せる、自動車用吹きつけコーティング』の組み合わせを car-beauty-shine はお勧めします!!

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です